本日(2026年10月20日 午前4時41分)、JAXA(宇宙航空研究開発機構)が主導し、三菱重工業(MHI)が打ち上げ執行責任を担う火星衛星探査計画「MMX(Martian Moons eXploration)」が、種子島宇宙センターから宇宙へと旅立ちます。
MMXは、火星の2つの衛星「**フォボス(Phobos)**」と「**ダイモス(Deimos)**」を巡り、フォボス表面に着陸して土壌(レゴリス)を採取、地球へと持ち帰る(サンプルリターン)大型探査機です。「はやぶさ」「はやぶさ2」で世界を驚かせた小惑星サンプルリターンの技術を結集し、人類史上初となる「火星圏からの物質回収」に挑戦します。
火星探査といえば火星本体への着陸が連想されがちですが、なぜMMXは火星の小さな月(衛星)を目指すのでしょうか。そこには惑星科学における2大フロンティアが存在します。
フォボスとダイモスがどのように誕生したのかは、1世紀以上にわたって議論が続く未解決問題です:
持ち帰ったサンプルの同位体組成を分析することで、火星圏の誕生シナリオと太陽系初期の物質移動の歴史が決定づけられます。
フォボスは火星表面からわずか約6,000kmという至近距離を回っています。太古の火星に小惑星が衝突した際、火星地殻や古代大気、太古の水などの成分が宇宙空間へ吹き飛ばされ、その一部が数十億年にわたりフォボス表面に降り注ぎ堆積してきました。
つまりフォボスの砂を持ち帰ることは、「古代火星の地殻や水、生命痕跡の手がかりを間接的に採取して調べる」ことと同義なのです。
フォボスの表面重力は地球のわずか約0.001G。着陸というよりも「極微重力天体へのドッキング(係留)」に近い超精密なスラスタ制御が求められます。
MMXの打ち上げ時重量は約4トン。日本がこれまでに宇宙へ送り出した探査機の中で最大・最重量の機体です。ミッション進行に応じて分離する3つのモジュールで構成されています:
MMXには確実なサンプル採取を期して2種類のサンプラーが搭載されています:
MMXには、フランス国立宇宙研究センター(CNES)とドイツ航空宇宙センター(DLR)が共同開発した小型ローバー「IDEFIX(イデフィクス)」が同乗しています。
母船MMXの着陸に先駆けて高度数十メートルからフォボス表面へ自由落下投下され、車輪で走行しながらフォボス表面の土壌硬度や物理特性、車輪のスリップ挙動、高解像度画像を事前調査します。このデータにより、MMX本体の安全かつ確実なタッチダウンが担保されます。
本日早朝、種子島からMMXを打ち上げるのは、三菱重工業が打ち上げ執行責任を持つ**H3ロケット10号機**です。このミッションには日本のロケット技術の最高峰が集約されています:
MMXの今後のマイルストーンは以下の通りです:
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